経営が苦しい小規模事業者が資金調達に苦労している場合「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」が役立ちます。
マル経融資は小規模事業者にとっては大きな支援となるため、国が力を入れて運営していますが、政府が出資する政策金融機関である日本政策金融公庫が提供しているため、信頼性が高く、利用することで経営改善につながる投資ができるようになります。
この記事ではマル経融資について概要、活用対象、活用方法、申請方法について解説します。
マル経融資の概要
マル経融資は、日本政策金融公庫が提供する融資制度の一つであり、小規模事業者向けに提供される資金調達の方法です。
マル経融資は、最大2,000万円までの融資を受けることができ、利率は1.20%(2023年10月1日現在)で、一定の要件を満たす設備資金については、当初2年間0.5%引き下げられます。
マル経融資を活用出来る事業者
マル経融資の活用対象は、小規模事業者であり、次のような条件を満たす企業です。
- 従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主
- 最近1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っている
- 税金(所得税、法人税、事業税、住民税等)を完納している
このように、1年間以上同一会議所の地区内で20名以下の小規模で運営されている事業者が対象になりますが、
この他にも下記で解説する2つの条件を満たしている必要があります。
①商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる
商工会議所の経営・金融指導とは、商工会議所が提供する経営者や事業者向けのアドバイスや指導のことを指します。
具体的には以下のような内容が含まれます。
- 経営診断: 商工会議所の専門家が、事業者の経営状況や財務状況を診断し、問題点や改善点を指摘します。
- 経営改善計画の策定: 経営診断の結果をもとに、具体的な経営改善の方針や計画を策定します。
- 金融機関との交渉サポート: 資金調達の際の金融機関との交渉や、融資条件の最適化のサポートを行います。
事業者は、これらの指導を受けることで、経営の安定化や成長を図ることができます。マル経融資を受けるためには、これらの指導を受け、実際に経営改善に取り組んでいることが求められます。
②商工業者であり、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいる
日本政策金融公庫の融資対象業種とは、公庫が融資を行う際に対象とする業種のことを指します。
具体的な業種は公庫の公式サイトや資料で確認することができますが、一般的には以下のような業種が含まれます。
- 製造業: 機械、電気機器、食品、化学製品などの製造業
- 卸売業・小売業: 食品、衣料品、家電製品などの卸売・小売業
- サービス業: IT関連、広告、旅行、教育、医療などのサービス業
- 建設業: 建築、土木、設備工事などの建設業
事業者は、これらの業種の中で事業を行っていることが求められます。
また、公庫の融資対象業種は時期や政策によって変わることがあるため、
具体的な業種や条件は公庫の公式サイトや窓口で最新の情報を確認することが必要です。
マル経融資の活用方法
マル経融資の活用方法は、事業の状況や目的に合わせて様々な用途として活用する事が出来ます。
活用方法としては、以下のようなものがあります。
1. 運転資金として利用する
- 仕入資金
- 掛金・手形決済資金
- 給与・ボーナスの支払い
- 諸経費等の支払い
2. 設備資金として利用する
- 店舗・工場改装
- 営業車両購入
- 機械・設備・什器等の購入
このように幅広い用途で資金を活用出来るので、比較的多くの事業者が対象になるのではないでしょうか?
マル経融資の申請方法
申請方法は日本政策金融公庫のホームページからダウンロード可能な申請書に必要事項を記入し、
所定の書類を添付して提出する方法が一般的です。申請手数料は無料です。
マル経融資の申請には、以下の手順が必要です。
- 日本政策金融公庴のホームページから申請書をダウンロードする。
- 必要事項を記入し、所定の書類を添付する。
- 提出先の窓口に申請書を提出する。
また、申請書には以下の書類が必要です。
- 法人登記簿謄本(または商業登記簿謄本)
- 申請者の設立時の定款、変更登記のあった場合は変更後の定款
- 目的を明示した事業計画書
- 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)
- その他、日本政策金融公庫が指定する書類
まとめ
マル経融資は日本政策金融公庫が提供している、経営困難な小規模事業者の資金調達をサポートする制度で、従業員20人以下の小規模事業者で、一定の条件を満たしていれば最大2,000万円の融資が可能です。
運転資金や設備資金として幅広く活用でき、この制度を利用することで事業者は経営の安定化や成長を目指すことができます。
興味のある事業者は公庫の公式サイトや窓口で詳細を確認し、この有益な制度を活用してみてはいかがでしょうか?