デジタルトランスフォーメーション（以下DX）は、企業が新しいビジネスモデルを展開するための進化したデジタル技術の活用を指します。
具体的にはITツールを導入する事によって業務の効率化を図ったり、それまでオフラインで行っていた業務をオンラインに置き換える事で、
顧客データの管理や消費行動の分析や顧客それぞれの行動に合わせた商品の提案などがあります。
この記事では、さまざまな業種のDX導入事例と、メリット、導入に必要な要素等を紹介します。
日本の中小企業で行われているDXの導入事例
1. 小売業
事例: 在庫管理のデジタル化
小売店では商品の在庫管理を手書きの帳簿やエクセル等で行っているところが多いですが、バーコードリーダーやPOSシステムを導入することで、在庫の正確な把握や迅速な発注が可能になるので、売り切れや過剰在庫のリスクを低減できます。
代表的なアプリ：Square リテールPOSレジ
URL：https://squareup.com/jp/ja/point-of-sale/retail
最安5000円で購入できる機器を購入し、スマートフォンやタブレットPC等さえあれば、専用のアプリ経由でその場で決済する事が出来るだけでなく、
Eコマースへの導入や、予約管理、顧客リスト管理、在庫管理、売上分析など、小売業から飲食店まで幅広く利用する事が出来ます。
また、クレジットカードや交通系決済の手数料がなんと3.25%から利用出来るので、利益率の低い商品でも負担が少ないため利用しやすくなっています。
2. 農業
事例: 作物の生育管理のデジタル化
農家では作物の生育状況や気候等の情報を目視で確認し、情報を記録するのが一般的ですが、センサーなど利用してデータを収集し、クラウド上で分析することで、最適な収穫時期や肥料の量を判断することができるようになり、また再現性の高い就農を行う事が出来るようになります。
代表的なアプリ：アグリノート
圃場マップを登録し、それぞれの圃場での作業記録から出荷記録までスマホアプリで管理する事が出来ます。
その他にも土地情報や農薬データベースとの連携、連作管理、収支の管理まで、農業に関わるあらゆる情報をデータ化して利用出来るので、
農作物の生産管理を感覚的なものから、いつどのように生産した作物がどういった結果になったかというデータを踏まえて、より良い農作物を再現する事が出来るようになります。
3. 美容業
事例: 顧客管理のデジタル化
美容室やエステサロンでは顧客の来店履歴や施術内容を紙のカルテやエクセル等に記録するのが一般的でしたが、
顧客管理システムを導入して顧客の予約状況や過去の施術内容を一元的に管理でき、パーソナライズされたサービスの提供が可能になるので、
よりスムーズに満足度の高いサービスを提供する事が出来ます。
代表的なアプリ：LiME
スマホやPCから、顧客のカルテ情報、SNS（LINEやInstagram等）予約、ホットペッパー予約連携、売上レポートなどなど、美容室運営に必要な機能が全て含まれたアプリです。
LINEでの予約だけでなく、予約日程の自動提案など、お客様のニーズを予測して店舗側からアプローチをかけられるなど、これまでの店舗運営では出来なかったアプローチをかけられるのは大きなメリットになるでしょう。
また、最初に紹介したSquare決済との連携も出来るので、POSレジとの連動や売上分析、LTVレポートなど、経営の面からもサポートできるようなツールになっています。
DX化のメリット
競争力の強化
DXを進めることで、企業は新しいビジネスモデルやサービスを迅速に展開する能力を身につけることができます。
例えば、映画のレンタルショップがデジタル配信サービスにシフトすることで、店舗を持たない新しいビジネスモデルを展開し、競合他社との差別化を図ることができます。
業務効率化
デジタル技術の導入により、業務の自動化やデータ分析が容易となります。
例えば、書店が在庫管理を手書きからデジタル化することで、即座に在庫情報を確認し、適切な発注が可能となります。
顧客体験の向上
DXを通じて、顧客のニーズや行動を正確に把握することができるようになります。
例えば、カフェが顧客の注文履歴をデジタルで管理することで、顧客の好みに合わせたメニュー提案が可能となり、サービスの質が向上します。
DX導入のために必要な要素
デジタル技術の理解
DXを成功させるためには、AIやIoT、クラウドなどの最新のデジタル技術に関する基本的な知識が不可欠です。
ツールや業務によっては複雑な設定が必要だったり、場合によってはプログラミングの知識やデータベースの知識が必要になる場合もあるので、
何をすべきで何が出来るかを把握するためにも知識を持っておくことは大切でしょう。
変革の意識
ツールを導入する最初のコストや、ツールを使い始める時は現場での実務の兼ね合いも気を配る必要がありますが、
従来のビジネスモデルや業務プロセスに固執せず、社内全体で変革の意識を持つことが重要です。
外部の専門家の活用
DXの導入は普段システムに関わっていない人にとっては複雑です。
外部の専門家やコンサルタントなど、導入支援会社の意見やアドバイスを取り入れることで、より効果的な導入が可能となります。
導入支援会社を利用した方が良い理由
専門的な知識
DX導入支援会社は、DXに関する専門的な知識や経験を持っているので、最適なシステム選択をはじめ、導入するシステムをより高いレベルで活用する事が出来ます。
リスクの軽減
DXの導入には多くのリスクが伴いますが、外部の専門家の意見やアドバイスを取り入れることでトラブルや生産効率の低下のリスク等を回避することができます。
効率的な導入
導入支援会社のサポートにより、DXの導入プロセスが効率的に進められ、導入のスピードアップが期待できます。
例えば、レストランがデリバリーサービスを開始する際、導入支援会社のサポートにより、迅速にサービスを立ち上げることができます。
まとめ
このようにデジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業の競争力を強化し、業務効率を向上させるための重要な取り組みです。
導入のハードルを高く感じられる方もいるかもしれませんが、導入のハードルを越えてこそ得られるメリットは計り知れません。
また、経済産業省が運営しているＩＴ導入補助金という制度を使う事で、導入金額の最大1/3の費用でＩＴツールを導入する事も出来ますので、
ご興味のある方はブログ最下部にあるお問い合わせフォームまでお気軽にお問い合わせください。
本記事で紹介した事例を参考に、業種や業態に合わせたDXの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか？
